電源管理

バッテリー駆動時間は常にユーザーの関心事です。バッテリーを長持ちさせるために、Android は充電器に接続されていないときのアプリとデバイスの動作を最適化するための新しい機能を継続的に追加しています。

Android は、バッテリーを長持ちさせるために次のような機能を備えています。

  • アプリの制限。プラットフォームは、バッテリー駆動時間に悪影響を及ぼすアプリを知らせることができます。ユーザーは、そのようなアプリがリソースを消費しないように制限することを選択できます。デフォルトでは、アプリのバックグラウンド制限はありません。
  • アプリ スタンバイ。プラットフォームは、使用していないアプリをアプリ スタンバイ モードにして、一時的にネットワーク アクセスを制限し、それらのアプリの同期とジョブを保留できます。
  • Doze。ユーザーがデバイスを長時間自発的に使用していない(画面がオフでデバイスが移動していない)場合、プラットフォームはディープ スリープ状態(通常のオペレーションを定期的に再開する状態)になります。さらに、Android 7.0 以降では、画面がオフでデバイスが移動している状態でも、Doze によって最適化の一部がトリガーされます。
  • USB のバックアップと復元時の電力転送を制限します。USB のバックアップまたは復元を行う場合は、UsbPort クラスの enableLimitPowerTransfer メソッドを true に設定して充電を無効にし、電力供給を制限してください。電力が制限されていることを確認するには、UsbPortStatus クラスの isPowerTransferLimited メソッドを呼び出します。isPowerTransferLimitedtrue の場合、Android デバイスは消費電力をシンクとして 0(またはハードウェアで許容される最小値)に減らし、ソース電流を 0 に制限します。ソース電源の制限は、両方のポート パートナーが USB Power Delivery(PD)の仕様をサポートしている場合にのみ適用できます。電力使用量をデフォルトの状態に戻すには、enableLimitPowerTransferfalse に設定します。USB ケーブルが取り外された場合も、デフォルトの状態が返されます。
  • 除外。一般的に、プリロードされているシステムアプリとクラウド メッセージ サービスは、デフォルトでアプリ スタンバイと Doze から除外されます。アプリ デベロッパーは、インテントを使用して、これらの設定をアプリに適用できます。ユーザーは、設定メニューで、アプリ スタンバイと Doze の省電力モードから除外するアプリを選択できます。
  • トラッカー。アプリのバックグラウンド動作トラッカーは、アプリのフォアグラウンドとバックグラウンドのバッテリー使用量をモニタリングし、アプリが一部のポリシーに違反しているかどうかを判断します。

アプリを除外する

アプリを Doze またはアプリ スタンバイの適用対象から除外できます。次のユースケースで、除外が必要になる場合があります。

  • Firebase Cloud Messaging(FCM)以外のクラウド メッセージング プラットフォームを使用するデバイス メーカー
  • FCM 以外のクラウド メッセージング プラットフォームを使用する携帯通信会社
  • FCM 以外のクラウド メッセージング プラットフォームを使用するサードパーティ アプリ

警告: テストと最適化を回避するためにアプリを除外しないでください。不必要にアプリを除外すると、Doze とアプリ スタンバイのメリットが損なわれ、ユーザー エクスペリエンスが低下することがあります。プラットフォームによる電力消費の有益な制御が損なわれる可能性があるため、アプリの除外は最小限に留めることを強くおすすめします。除外したアプリの電力消費が多すぎるとユーザーが感じた場合、満足度とエクスペリエンスが低下し、アプリに対する否定的なレビューやカスタマー サポートへの問い合わせにつながる可能性があります。したがって、クラウド メッセージ ングサービスまたはそれと類似する機能を備えたアプリだけを除外し、サードパーティ アプリは除外しないことを強くおすすめします。

デフォルトで除外されるアプリの一覧は、[設定] > [アプリと通知] > [特別なアプリアクセス] > [バッテリーの最適化] で確認できます。このリストは、Doze モードとアプリ スタンバイ モードの両方からアプリを除外するために使用します。ユーザー対して透明性を高めるために、除外しているすべてのアプリを設定メニューに表示する必要があります

ユーザーは、[設定] > [アプリと通知] > [APP-NAME] > [バッテリー] > [バッテリーの最適化] でアプリを手動で除外し、次にアプリを選択して最適化をオフ(またはオン)にできます。ただし、ユーザーは、システム イメージでデフォルトで除外されているアプリやサービスの例外ステータスは変更できません。